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堅手の盃と云えば世の中に星の数ほどあるのでしょう、だからたいしたものではないなんて言うのはやはり見識が浅いとの誹りを免れないでありましょう。それこそ堅手にはいろんな上がりや質感、器形やサイズというものがあり、その星の数ほどの中から自分の好みの一品を探すのは至難の業であり、またそれこそが大いなる愉しみでもあるのでしょう。
さてそんな大仰な紹介から始めて大丈夫か～と、ハードルを勝手に上げた感もありますが、これはそんな得難い一品と思っています。
碗成りというか半筒というか素直な形ではありますが、口縁が玉縁状に作られグッと強く腰が張った形がユニーク。見込みから眺めると立ち上がりが一段強く指が入ってへこんでいますね。唐津の立ちグイ呑みなんかに見られる造形です。
高台はほんとうにごく浅く削られ、ほとんどべた底に近いもの、目砂が付着してでこぼこしたところは一部だけ据わりがいいように擦っている部分もあります。高台際が赤く発色して白い釉薬といいコントラストです。
そして一番の見どころは指痕によって釉薬が薄くなり赤いところが覗く部分でしょうか。こんなところもあまり気にしない、いわゆる「ケンチャナヨ」の精神が横溢していると云えましょうか。
無骨な一品ですが、やはりなかなか探しても見つからない、いい酒盃と思います。
口径7.6～7.7 高さ4.6センチ
朝鮮時代前期～中期頃
桐箱に収められています。木綿の包み布と風呂敷が添っています。
無疵です。
画像に出てくる他の器や盆は付属しませんのでご了承下さい。 |
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65,000円
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