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紙本 淡彩 木村東介箱書 松坂屋「浮世絵肉筆名品展」出品
32×53㎝ / 117×55㎝
浮世絵師、葛飾北斎は類稀な表現力と圧倒的な画技を持つ日本美術の巨匠であり、その作品は現代の芸術家にも影響を与えています。十返舎一九は江戸時代最大のベストセラーともいわれる小説『東海道中膝栗毛』の作者であり、両者の画賛による本作はまさに江戸を代表するスター作家の共演といえる贅沢な逸品です。
洒脱な北斎の淡彩画に対し、賛は「天のはらふりさけみれは目のうへにかゝるかすみや遠山の眉」とあり、安倍仲麿が望郷の心を詠んだ和歌に準えているのでしょうか。かすみ目に映る景色は故郷ではなく美人の眉、というのが洒落好きらしい一句です。 |
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