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絹本 着色
113×45㎝ / 197×57㎝
目の覚めるような極彩色を巧みに操る幕末の鬼才、狩野一信。約10年を費やして完成させた増上寺の「五百羅漢図」は、今なお人々を驚嘆させる超大作です。しかし、そのほか現存する作品はわずかで、画業はいまだ多くの謎に包まれています。
花鳥を鮮やかな色彩と鬼気迫る精緻な筆致で描いた本作は、顕幽斎の落款から30代の作とみられます。西洋画から学んだ陰影も一信の真骨頂であり、立体感ある花や鳥からは今にも濃密な野生の香りが立ち上るようです。これまで一信の花鳥画は見つかっておらず、本作は画業を紐解く重要な作品といえるでしょう。
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