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長澤蘆雪「関羽図」
絹本 着色 昭和10年東京美術倶楽部舊大名並某家蔵品入札目録所載 昭和14年東京美術倶楽部伊藤平山洞蔵品入札目録所載
114×43㎝ / 212×59㎝
長澤蘆雪が中国三国時代の武将、関羽を描いた本作。髭の美しさから人々に「美髯公」と親しまれた関羽の気高さや気品を表すように、実に繊細に描かれています。勇猛で気迫に満ちた風情の関羽に対し、背後の従者はどこかとぼけた様子で描かれており、蘆雪らしい奇知と妙味が垣間見えるのも本作の魅力です。南紀から京都に戻った34歳以降の作と考えられ、関羽の衣や青龍偃月刀に見られる緩急自在で端正な筆致からは、意気軒高、将来への希望に満ち溢れた円熟期の蘆雪自身の姿が想像できる作品です。 |
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